結局彼女はそうすることでしか、変化していく中で自分を繋ぎ止められなかったのだろう。
自分もそれをわかっていながら手を出さなかったのだ。

止めることも、何かの代償行為を提示することもできたはずだった。だがしなかった。

・・・怖かったのだ。
どうこうだから彼女のため、という理由はいくらでも思いついた。
いくらでも付け足して正当化しようとした。

しかし自分の心に聞いてみれば、蓋を開けてみれば
ただ単に彼女に、いや他人に踏み込み、自分の意思を形にして残すという行為が恐ろしかったのだ。

その結果、彼女の意思が変わるかもしれないということがさらに恐ろしかった。
本当に怖かった。
だってそうだろう、他人の人生の一部を変えてしまうなんて。
その人の変わってしまった結果について背負える心がなかったんだ。
大切にしたいという思いを盾にして、そんな下種のような考えを隠していた。
本当に大切ならば何もかもを背負うべきだった、肩代わりしてあげるべきだったんだ。

それがいいのか、悪いのかは誰にもわからないのだけれど。






そんな感じのお話が頭の中にあったりなかったり
しかし性格の悪い暗い内容だ